王毅外相訪日に際し、日本政府に対し香港の人権問題を提起するよう要請

中国の王毅外相が日本を訪問し、日中韓外相会談および日中ハイレベル経済対話が開催されるこの機会に、レイディー・リバティー香港は、香港における人権と市民の自由が引き続き深刻に侵害されている状況を強く懸念し、日本政府が中国政府に問題を提起するよう要請いたします。

日本はアジアで最も安定した民主国家として、自由と法の支配を尊重し、それを誇りにしてきました。戦後の日本が民主国家として平和と繁栄を築いてきた道のりは、香港の人々が今まさに歩もうとしている道と重なります。香港市民が自由と自治を守るために闘っている今、日本がこの価値を擁護することは、単なる外交問題ではなく、日本自身のアイデンティティを守ることにもつながります。

3月22日は、香港で「国家安全維持条例(SNSO)」が施行されてからちょうど1年目にあたります。この象徴的な日に王毅外相との会談が行われることは、日本政府にとって香港の現状について明確なメッセージを発信する重要な機会です。日本がこれを黙認することは、アジアにおける民主的価値が揺らぐことを意味します。


香港の現状はかつてないほど厳しくなっています。2020年に施行された国家安全維持法(NSL)によって、香港の市民社会は急速に縮小しました。さらに2024年に施行された国家安全維持条例(SNSO)は、その弾圧を一層強化し、政治的自由や報道の自由が事実上消滅しつつあります。

民主派指導者への圧力は激しさを増しています。法学者であり、2014年の雨傘運動を主導した戴耀廷(ベニー・タイ)氏は、2020年の立法会(議会)選挙に向けた「予備選」を主導したことで国家転覆の罪に問われ、10年の禁固刑を受けました。

また、「香港47人」と呼ばれる活動家や議員も、予備選への関与を理由に有罪とされました。これは単なる個別の事件ではなく、香港における民主的プロセスそのものが標的にされていることを意味します。

報道や言論の自由も、もはや香港には存在しません。アップル・デイリー創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏は、「外国勢力との共謀」の罪で起訴され、すでに1,500日以上にわたり自然光のない独房で拘束されています。

こうした弾圧は香港の中だけにとどまりません。香港政府は国家安全維持法と基本法第23条に基づき、海外在住の13人の活動家を対象に逮捕状を発行しています。彼らには約1900万円の懸賞金がかけられ、パスポートの無効化や経済活動の禁止といった制裁が科されています。香港の自由が消滅すれば、それはアジア全体の安定が揺らぐことを意味します。

日本は戦後、権威主義を乗り越え、平和と民主主義の基盤を築きました。香港の人々は、まさにその同じ道を歩もうとしています。日本が香港を支援することは、中国への対抗ではなく、自国のアイデンティティと民主的価値を守ることに他なりません。

日本がこれまで守ってきた「平和と安定」の秩序は、香港が自由と自治を維持できるかどうかにかかっています。香港が崩れれば、台湾や東シナ海での緊張もさらに高まる可能性があります。日本が今、香港を支持することは、アジアの安定を守る行動でもあります。


レイディー・リバティー香港の監事であり、東京大学教授の阿古智子氏は、次のように述べています。

「⁠民主主義が危機に瀕している今、日本にその擁護者、実践者としてより積極的な役割が期待されています。比較的安全で、努力する人が成長できる制度的条件が整った日本で生まれ育った市民として、将来の国際情勢や生活環境を危惧する子を持つ親として、多くの問題を抱える世界情勢を研究する学者として、人権と民主主義と守る日本政府の具体的な行動に注目しています。⁠」
— 阿古智子

日本政府への要請

日本政府には、香港における人権弾圧に対し、以下の行動を求めます。

  • 国家安全維持法および国家安全維持条例の即時撤廃を求めること。

  • すべての政治犯の即時かつ無条件の釈放を要求すること。

  • 中英共同声明に基づく香港の高度な自治の回復を求めること。

日本にとっての外交的試金石

香港を支援することは、単なる道義的行為ではありません。それは日本がアジアにおける民主的リーダーであることを証明する行動です。戦後の日本が自由と平和を築いたように、香港も同じ未来を望んでいます。日本の声が、今、必要とされています。


[レイディー・リバティー香港]
東京都

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